ファイル転送速度が出るので重宝していますが、場合によっては速度が出すぎることでパソコン上の他のソフトウェアに影響が出てしまうことがあります。
そこで、WHS2011上のFTPSが使うネットワーク帯域を絞ってみましたのでご紹介。
QoS(Quality Of Service)を使って実現
私は元ネットワーク屋なので、ルータやL3スイッチなどのコンフィグを行なっていた際にQoSを多用していましたが、WindowsでQoSをするのは初めて。そこで、先人の知恵をお借りして今回の内容を実現しました。
Windows7のポリシーベースQoS-でじのーと-使い方は簡単。
アプリケーションベース、IPアドレス/MACアドレスベース、ポートベースで帯域制限がかけられます。
どんな時にQoSを使うのか?
私が知っているQoSを使うシチュエーションは- 音声通信(VoIPとか)
- データベースの通信(検索・更新とか)
- 業務系アプリケーションの通信
- Webアプリケーション
ネットワーク装置のコンフィグをやっていた時代ですが、音声通信は必ずQoSを設定しました。
設定を忘れると音声が遅延したり、途切れたりと散々な目に・・・
あ~嫌な記憶が蘇ってくる・・・
WindowsのQoS設定方法
WindowsのQoSは非常に簡単です!- グループポリシーエディタを開く
gpedit.mscを実行
- ポリシーベースのQoSを開く
コンピュータの構成→Windowsの設定→ポリシーベースのQoS
- 新規ポリシーを作成ポリシー名を入力し、帯域を指定します。
帯域は「出力方向のスロットル率を指定する」に入力します。
アプリケーションやIPアドレス、MACアドレス、ポートの指定もできます。 - グループポリシーを更新
gpupdate.exeを実行
設定内容
- DSCP値:0
- スロットル率:1MBps
- QoSポリシーの対象:FTPSサーバの実行ファイル
- 発信元アドレス:192.168.xxx.xxx/32(ホストベース)
- 宛先アドレス:全てのIPアドレス
- プロトコル:TCP
- 発信元ポート:任意
- 宛先ポート:任意
設定前後の帯域
下のスクリーンショットを見ればすぐに分かりますが、設定前後で帯域が変わっています。設定前:5~8MB/s
設定後:0.8~1.0MB/s
注意事項
- gpedit.mscの拡張子は必須!
グループポリシーエディタは拡張子.mscまで入力しないとエディタは起動してきません。
必ず.mscまで入力してください。 - gpupdate.exeは忘れないで!
グループポリシーを設定したら、必ず更新処理を行なってください。
gpupdate.exeを行うことで更新されます。 - ネットワークのスコープは必ず指定!
IPアドレスを入力する場合はスコープが必要になります。
ホストベースなら、xxx.xxx.xxx.xxx/32。
ネットワークベースなら、xxx.xxx.xxx.xxx/24とか。 - ポートを指定する場合は、事前調査を!
ポートを指定する場合ですが、設定したつもりでもQoSが機能しない場合がありました。
理由は1ポートだけでなく、複数ポートを指定しなければならかったためです。
可能ならば、事前にポートを調査してから設定することをオススメします。
私がネットワークを調査する場合は、WireShark(旧Ethereal)を使っています。
今回WindowsのQoSを使ってみましたが、ハードウェアのネットワーク機器に比べかなり簡単にQoSを導入することが可能です。
Windows Server 2008 R2でも同じことが可能だと思いますので、
通信帯域を絞りたい場合や逆に
通信帯域を確保したい場合は是非導入してみてください。