Windows 10 のVHD ブートを設定する方法~デュアル ブート

Technical Preview から使い続けたWindows 10も後数日でリリースとなりました。
新しいOSが出ると興味はあるものの今の環境を崩したくない余っているPCがない等の理由で試していない方も多いと思います。
今回は、仮想ディスク(VHD or VHDX)からOSを起動するVHD ブートの設定方法をメモ。
作成環境は、 Windows 8.1 Update 1(64bit)、作成OSはWindows 10 Pro 10240(64bit)になります。

VHDとは?VHD ブートとは?

VHDとは、仮想ハードディスク(Virtual Hard Disk)の事で、Hyper-Vの仮想マシン(VM)やWindows Server Backup、Windows Server 2012 R2 Essentialsのクライアント バックアップなど幅広く利用されている単一ファイルです。(拡張子は.vhd 又は .vhdx)
このファイルはマウントする事が出来るため、ファイルの中身を取得できます。

VHD ブートとは、名前の通りVHDに格納されたOSを起動する仕組みです。
十数年前はパーティションを複数切り、Windows 2000やXPをデュアル ブート構成(マルチ ブート)にしていましたが、難易度が高く、構成に失敗すると全滅することも少なくありませんでしたが、VHD ブートはVHDファイルを配置し起動するため非常に便利・簡単・安全にマルチ ブートが可能です(個人的感想)。
既存環境を破壊することなく、複数OSを切り替えできます。

手順

VHDブート の設定は比較的簡単です。
VHDXファイルを準備
  1. VHD or VHDXファイルを保存するフォルダーを作成
    今回は、c:\VHD を作成します
  2. [ディスクの管理]を起動する
    [Win]+[R]を押し[diskmgmt.msc]を入力、実行してください
  3. [操作]→[VHDの作成]を選択
  4. 下記設定を行う
    ※下記順番にした理由は、保存先のファイルを明示的にVHDX形式にするためです
    1. ディスクのフォーマットはVHDXを選択
    2. ディスクの種類は推奨である可変容量を選択
    3. ディスクサイズは任意の数値
      今回は100GBとします
    4. 場所1の保存先を指定
      ファイル名は、<ファイル名>.vhdxファイルを指定してください
      今回は、c:\VHD\win10_pro_10240.vhdx とします
VHDXファイルを準備
  1. インストール用ブートUSBを作成
    作成手順の詳細は過去の記事をお読みください
    Windows 10 Build 10041をUSBメモリーからインストールしたい~Diskpart コマンド
  2. PCを一度シャットダウン、USBから起動する
  3. Windows Setup画面が表示されたら[Shift]+[F10]を同時に押す
  4. コマンドプロンプトの起動を確認
  5. diskpart コマンドおよび各コマンドを実行し、VHDXファイルをアタッチする
    この作業を行うことで、インストール画面に仮想ハード ディスクが見えるようになります
  6. diskpart
    
    #Select
    select vdisk file=c:\VHD\win10_pro_10240.vhdx
    
    #Attach
    attach vdisk
    
    #Confirm
    list vdisk
    
    #Exit
    Exit
    
  7. Windows を通常通りインストールする
  8. インストール先となるハード ディスクにVHDXを指定
    物理ハード ディスクの後方にある約100GBのハードディスクを選択しましょう
  9. Windows を通常通りインストールする
インストール完了後の[ディスクの管理]画面を確認すると、VHDXファイルがマウントされている事が分かります。
また、物理ディスクが他ドライブとしてマウントされている事もわかります。

    見ていただいた通り、今まで通りのVHD ブートの設定方法がそのまま利用できますので一度でも設定したことがある方には敷居が低い内容です。 是非お試しください。

    VHD ブートは使い物になるのか?

    使い物になるかどうか?と質問されれば、今回の環境ではVHD Bootは使い物になります

    現在使用しているPCはThinkPad T440sにSamsung SSD 840 Proを搭載しており、体感的に通常インストールしたOSとの違いが全く感じられません
    ストリーミング動画やPower Query&Power Mapなど負荷がかかるような処理をかけてもモタツキは感じられませんでした。

    各OSのストレージ ベンチマークを取得したところ10~30%程度低い数値ですが、体感できるほどの大きな差はありませんでした。
    左:VHD ブート(Windows 10 Pro 64bit)
    右:Windows 8.1 Pro Update 1

    余談ですが、VHD ブートしたWindows 10 Proのデバイス マネージャーを確認すると、ディスク ドライブに[Microsoft 仮想ディスク]というデバイスが追加されていました。
    昔でいう[msft virtual disk scsi disk device]の後継デバイス?ここは、よく分かっていません。

    VHD ブートを止めたい場合

    検証作業やハード ディスクの空き容量が不足してきた、などによりVHD ブートを止めたい(削除したい)時がくると思います。
    その場合は、下記手順を行います。
    1. Windows 8.1 Update 1を起動
    2. [Win]+[R]を同時に押し、[msconfig.msc]を実行
    3. [ブート]タブを開き、Windows 8.1を既定値にする or なっている事を確認
    4. [Windows 10]を選択し、[削除]ボタンをクリック
    5. 再起動、Windows 8.1 Update 1が起動される事を確認




    VHD ブートを使う事で
    • 新しいOSを試したい
    • 古いOSの環境を残しておき、適時使いたい
    • 検証時、どこかの時点でブランチさせたい 
    などの要望に答えつつ、物理ストレージにインストールしたOSとほぼ同等のパフォーマンスが得られるので便利です。

    最後に、VHD ブートを使用する前に覚えておくべき点を別に書きました。是非合わせてお読みください。
    http://nasunoblog.blogspot.jp/2015/07/vhd-native-boot-links.html
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