AMDのCPUといえば、コストパフォーマンスが一番最初に思い浮かびます。
でも、それだけではないんです。
実は、CPUの周波数や電圧を柔軟に制御できるK10statというツールがあり、ダウンクロック・オーバクロックが簡単にできます。
現在使用しているサーバのパフォーマンスを向上させるためCPUを変更しましたが、それにあわせてK10statもバージョンアップを行ったので消費電力の違いなどをメモしておきます。
K10statのダウンロード
現在の最新版はv1.54です。
K10statを使う場合の注意事項
- BIOS上からCool'n'Quietを切る
- 各マシンの個体差があるので、K10statの設定をそのまま適用しない
- 周波数およびCPUの電圧はチューニングを行い、BSOD(ブルー・スクリーン)にならないようにする
K10statの設定
今回、K10statのバージョンアップにあわせて、WHS2011で使っているCPUを45W版AthlonII 240eから125W版PhenomII X4 955BEへ変更しました。
P3ステートは消費電力を低下させるため、800MHz・0.85Vに設定。
P2~P0は徐々に周波数・電圧を上げてあります。
無理な周波数・電圧の設定はマシンが不安定になったり、ハードウェアに負荷をかけて寿命が短くなります。
あまりピーキーなマシンにせず、若干のマージンを取ったほうがいいでしょう。
Control Functionをどうするか
設定が終わったら、Control Functionをどうするか悩みます。
- Unganged
負荷のかかったコアのみクロックを上げる - Ganged
一つのコアに負荷がかかると全コアのクロックを上げる
K10statのバージョンアップを行うまで気にしてなかったんですが、今回からUngangedにしてみました。
Ungangedにすると右のスクリーンショットのように、コアごとに周波数が異なって動作します。
CPUを変更で消費電力はどう変化したのか
CPUを変更したことでの消費電力の変化をまとめてみました。
サーバスペックはDOS/V POWER REPORT Windows7杯 自作PCの祭典2011-真夏の省電力スペシャル-を見てください。
各CPUはK10statで制御しており同一設定ではりませんが、消費電力のカタログ値で約2.8倍も異なるCPUにも関わらずでアイドル状態の消費電力差が16Wしか違わないのはすごいと思います。
大概の処理はアイドル~ロード状態なので、79~123W程度の消費電力と考えればいいんだと思います。
これでかなりサーバのパフォーマンスがあがったので、複数台からアクセスがあっても問題なく処理をさばけると思います。
PhenomII X4 955BE | AthlonII 240e | |
周波数 | 3.2GHz | 2.8GHz |
コア数 | 4 | 2 |
消費電力(カタログ値) | 125W | 45W |
L2/L3キャッシュ | 512KB*4/6MB | 512KB*2/- |
PhenomII X4 955BE | AthlonII 240e | |
アイドル時の消費電力(0%) | 79W | 63W |
ロード時の消費電力(50%) | 123W | 76W |
フルロード時の消費電力(100%) | 173W | 88W |
じゃ、電気代はどの程度変わるのか?
消費電力がどうのこうのだけかくと単なる自己満足になってしまうので、これが電気代にどの程度跳ね返ってくるのかも調べてみました。
電気代の計算は家仲間コムさんのページを使ってみました。
表の金額は東北電力管内で24時間稼働させた場合のものです。
PhenomII X4 955BE | AthlonII 240e | 差額 | |
アイドル時の消費電力(0%) | 1,283円 | 1,023円 | 260円 |
ロード時の消費電力(50%) | 1,998円 | 1,234円 | 764円 |
フルロード時の消費電力(100%) | 2,810円 | 1,429円 | 1,381円 |
まとめ:AMDのCPUならK10statを使わないとダメですね!
K10statを使うことで、消費電力および電気代がどの程度変わってくるかがお分かりいただけたと思います。
こうやって数値化するとよく分かりますね。
CPU変更によるサーバパフォーマンス向上、そして、できるだけ低消費電力化を図る意味でAMD製CPUを使うならK10statは絶対に導入すべきツールです。
まだ使ったことが無い方は是非導入してみてくださいね。
さて、来月の電気代がどの程度変わってくるかがちょっと怖いな・・・