両OS(R2ありとR2なし)は機能面で違いがあり、実行できるPowerShell コマンドレット数も異なります。
今回は、R2あり・なしの新旧Windows Server 2012 Essentialsにおいて実行可能なPowerShell コマンドレットの違いをまとめてみました。
全PowerShell コマンドレットの詳細はまだ把握し切れていませんが、違いを調査した事で両OSの違いがある程度把握できました。
安定の「俺得な内容」です!
2014.08.11 OIMCmdlets モジュールに関する記述を追加しました
WSE専用のPowerShell モジュールとは?
Windows Server 2012 R2 Essentialsは、Windows Server Essentials エクスペリエンス 機能を操作するコマンドレット群が標準で利用できます。
以前R2用モジュールについて記事を書きましたので、ご存じない方は一度読んでみてください。
Windows Server Essentials 専用のPowerShell モジュールは2個あります
コマンドレット数の比較(WssCmdlets)
各OSのPowerShell 上で[gcm -Module WssCmdlets | measure]を実行、コマンドレット数を確認しました。結果、Windows Server 2012 R2 EssentialsのPowerShell コマンドレット数はR2なしから単純に計算すると 91個 増加しています。
- Windows Server 2012 R2 Essentials
224個 - Windows Server 2012 Essentials
133個
※R2にはWssSetupCmdlets モジュールが存在していますが、R2なしにはありません。
そのため、WssSetupCmdlets モジュールのPowerShell コマンドレットは上記数量に含めていません。
新旧OSのコマンドレット数(重複・増分・廃止)
新旧OSを確認した結果、WssCmdlets モジュールのPowerShell コマンドレット数はR2のコマンドレット数=R2なしのコマンドレット数+α-βの式になります。
増分[α]は 96個 になり、下記機能になります。
- Microsoft オンライン サービス関連
- サードパーティのホスティング Eメールサービスとの連携?統合?※
- ユーザー グループ
- 状態レポート
- その他もろもろ
サードパーティのホスティング Eメールサービスとの連携?統合?
情報が少ない状況でしたが調べた限り、サードパーティのホスティング会社が提供するEメール サービスを統合か連携ができる機能のようです。
この機能を制御するPowerShell コマンドレットは、Enable-HostedEmailIntegration コマンドレットやGet-HostedEmailAccount コマンドレット等です。
この機能を制御するPowerShell コマンドレットは、Enable-HostedEmailIntegration コマンドレットやGet-HostedEmailAccount コマンドレット等です。
利用するには、ホスティング会社がアドインを開発しなければなりません。
下記リンクは、Windows Server 2012 Essentials(R2なし)の情報になりますが、本件について一部説明されています。
下記リンクは、Windows Server 2012 Essentials(R2なし)の情報になりますが、本件について一部説明されています。
廃止[β]は 5個 になり、下記コマンドレットになります。
廃止と書きましたが、一部は置き換えだと考えています。
※例として、Get-WssAlertEmailSetting はGet-WssReportEmailSettingに置き換え。
- Get-WssAlertEmailSetting
- Set-WssAlertEmailSetting
- Test-WssAlertEmailSetting
- Sync-WssUser
- Import-WssUser
WssCmdlets モジュール 新旧OS比較表
新旧OSのWssCmdlets モジュールに含まれるPowerShell コマンドレットを比較したのが下記表です。
- 実行可能なコマンドレットは”○”、存在していない(実行できない)場合は”―”
- コマンドレットのリンク先は、Technet または msdn のヘルプページ
- R2で増分されたコマンドレットは、背景がオレンジ
- R2で廃止されたコマンドレットは、背景を黄色
- 他モジュールに含まれている場合は、(xxx)
WssSetupCmdlets モジュール
このモジュールは、Windows Server 2012 R2 Essentials から導入された新しいモジュールになります。
Windows Server 2012 R2 StandardやDataCenterにおいてWindows Server Essentials エクスペリエンス 機能をインストール可能になっため、WssCmdlets モジュールとは別モジュールとして提供されているのではないかと予想しています。
Windows Server 2012 R2 StandardやDataCenterにおいてWindows Server Essentials エクスペリエンス 機能をインストール可能になっため、WssCmdlets モジュールとは別モジュールとして提供されているのではないかと予想しています。
2012 R2 | PowerShell コマンドレット | 2012(R2なし) |
○ | Get-WssConfigurationStatus | - |
○ | Remove-WssConfigurationData | - |
○ | Start-WssConfigurationService | - |
○ | Test-WssConfigurationOption | - |
○ | Test-WssPrecheckResult | - |
余談:Windows Server 2012 Essentials でOffice 365の設定したい
新旧OS(R2あり・R2なし)はどちらも[Office 365との統合]機能を有しています。R2なしのWssCmdlets モジュールには、xxx-O365xxxx コマンドレットが含まれていませんが、実は他モジュールで提供されていました。
- PowerShell コマンドレットは新旧OSとも全く同じである
- コマンドレット数は18個
- しかし、モジュールは異なる
- Windows Server 2012 R2 Essentials → [WssCmdlets] モジュール
- Windows Server 2012 Essentials → [OIMCmdlets] モジュール
PowerShell を使ってOffice 365の設定を行う場合は、新旧OSで違いが見られません。安心して使えますね。